歩き方ではない外反母趾になる理由

外反母趾とシューズ選びのコツ

「人生で一度もハイヒールなんか履いたことないのに外反母趾になったんですよ」


「道路の白線のような一本ラインを踏むウォーキングを指導されたのですが、足がもつれる感じで疲れるんです」
「踵から着いて母趾で蹴るような歩きを心がけていたら痛くなりました」

ひだまり整体院では上記のような足のお悩みを聞くことが多いです。
それはそうです、それは足を壊す歩き方ですからね。
外反母趾や扁平足になる原因は様々あります。
特異な例は陸上選手のように骨のアーチはあるのに土踏まずの筋肉が発達しすぎて扁平足っぽく見えるタイプ。

少なくともハイヒールやパンプスといった靴の種類の問題ではなくサイズ選びと重心が原因という例が多いです。
そして人体の構造を無視した間違った歩き方では足の変形を助長させてしまいます。

足関節は二階建て構造だった

足で一番大きい骨は踵骨(しょうこつ)ですね。当然大きいということはカラダの安定にも一番適しています。
その踵骨は足の中心よりも外側(小趾側)に位置しています。

下画像の踵骨と繋がる骨(赤ライン)を見ていきましょう。末端は薬趾と小趾ですね。
これが一階部分です。

次に踵骨の上に乗っている距骨(きょこつ)からの繋がり(青ライン)を見ていきましょう。
それは母趾,示趾,中趾ですね。
ここが二階部分です。

もうお分かりですね、母趾側と小趾側どちらに体重を乗せると安定するか?
一階部分の小趾側で立つことで足の接地面積が増え安定できるのです。


足が安定すれば立位での筋肉の使用量を極力抑え、骨で体重を支えることができますので余分なエネルギーを使いません。

踵骨周辺には多くの脂肪が付着しています。その脂肪には神経が通っていません。ですから、いくら体重を乗せても「重い!」と文句一つ言いませんよ。

ずっと母趾側で体重を支え続けていると土踏まずの縦アーチを潰すことになり、扁平足&母趾の形を崩していくことに繋がります。

体重は二階部分の距骨の中心を通り一階部分の踵骨へ逃がすのが疲れない立ち方です。

土踏まずはバネの役目

一階部分は安定向きのだとすると二階は大きな力を生むといえます。
重いものを持つときや走るときは土踏まずのバネがあると楽です。
静の状態から動に移る際にバネを伸ばし、その反動で飛んだり物を持ち上げたりすることが容易になります。

しかし動作の始めから母趾側体重になっていれば、反動という大きな力を利用しにくくなってしまいます。
それではパフォーマンスは落ちますし、何より膝や股関節に負荷をかけ、症状を引き起こすきっかけに繋がっていきます。

靴のサイズ選びは逃げずに攻める

「足の長さはいくつですか?」と訊くと「○○cmです」と靴のサイズを答えられる方がほとんどです。
身長と違って身体測定で測らないので、なかなか裸足のサイズって知らないようです。
しかし、この裸足のサイズを知っている人と知らない人では故障率が大きく変わります。

こちらは私のランニング・シューズ(25.0cm)のインソールです
 

私の裸足のサイズは24.9cmです。ジャストフィットを望めば選択肢は足と同寸が理想です。
画像をご覧になって分かる通り、インソールの長さは26cmですよね。
そうなんです、メーカーは初めからサイズ表記よりも1cm大きく作っています。

何のための25.0cmというサイズ表記かというと裸足が25.0cmの人に履いてもらうためのものだからです。

せっかくそう表記しているのに、例えば私が25.5cmや26.0cmを選んでしまうと1.5cm~2.0cm大きくなりますから、靴の中で足が泳いでしまい摩擦で足裏にマメができる要因を作ってしまいます。

足の血豆は決してサイズが小さくて起こるものではありません。
逆に大きすぎて何度も爪先が先端に当たってしまうか、動かないように踏ん張ってしまった結果です。
そして靴中で足が泳いでしまうと摩擦熱が発生し、脳は衝撃に負けないよう皮膚を厚くして対処します。

シューズを長持ちさせる方法

昭和生まれの方は裸足で木登りした記憶がおありでしょうか?

ヒトは「落ちたら危ない」と思うと交感神経の反応で手や足の裏に汗をかきます。
友人の結婚式でスピーチを頼まれとき手にじっとりとかくあの嫌~な汗のような感じです(笑)。
木登りでの汗は滑り止めの役目です。

靴のサイズが裸足より大きいと靴中で足が滑るため汗をかきます。
ご存知のように革でも布でも湿気には弱いです。汗の湿り気で靴にダメージを与えると、ジャストフィットの靴よりも先に寿命が早く来てしまいます。

そしてサイズが大きいと前後(内外にも)に足が滑り足趾が先端に何度も当たります。
それが毎日繰り返されていくと、いつか穴が開くことになります。

ですからお子さんの成長期に「すぐ足が大きくなるから」と大きめのサイズを購入すると、足が大きくなってジャストフィットする前に穴が開いてしまい経済的によろしくありませんね。

ただし、ここでのジャストフィットの薦めは非日常なスポーツのときだけでいいと思います。
「ちょっとそこのコンビニまで」みたいなときはそこまでサイズ選びを攻めなくてもいいでしょう。

足と靴をジャストフィットにさせるには、いちいち靴紐を緩めて締めてをしなければなりませんから。
一日中靴を履きっぱなしの欧米と違い、玄関で靴を脱ぎ履きする文化の日本では面倒ですからね。

五本指ソックスが足をダメにする 

足趾を五本指ソックスで独立させることが扁平足に繋がるんですよ。
縫製方法や縫い目によっては浮き指になる場合があります。
生地が足趾を足の甲側に引っ張ってしまうんですね。

手と違い、進化の過程で足趾同士が離れずくっついていることに意味があるわけです。
全身の体重を安定して受け止めるには5本すべてがまとまっていることが不可欠。
オリンピックレベルの陸上選手は誰も五本指ソックス履いていませんよ。履いたら力抜けますからね。

足趾をバラバラにしてしまえば縦アーチ・横アーチが崩れます。
そうすると荷重のバランスも変わり巻き爪の原因にも繋がります。

昔の人は下駄や草履を履いていましたね。
共通点は踵骨が固定されない履き物です。
どうやって脱げないようにするかというと鼻緒を挟むんですね。
その役目は母趾と示趾で。
だから足袋ソックスならOKと考えます。
私も施術中は足袋ソックスを履いています。

 

 

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