ショック受けないでくださいね これが肩こりしにくい座り方

なぜ日本人は世界的に見ても肩こり患者が多いの?


※この姿勢についてのページは読み進めるとショックを受けて気分を害される恐れが大いにあります。

特に「胸を張って顎を引く」という軍隊のような姿勢が健康にいいと心から信じている方はページをそっと閉じることをお勧めいたします。

その逆で姿勢に対する固定観念がなく、今の辛い状況から少しでも改善したいと思っている方には「目からウロコ」のようなヒントが盛りだくさんです。

ようこそ、不調から抜け出すための窓口へ!

読み進めるだけで今までの間違った常識が紐解かれ肩こりが楽になる方もいらっしゃいます。
どうぞこのままページを進めていってください。

なぜ、せっかく施術で柔らかくなった筋肉が数日後にはまた戻ってしまうのでしょうか?

私は東京での在学中、働く場所に恵まれて3箇所掛け持ちしながら年間359日というほぼ休みなく施術していた年もありました。
そこでの経験が良くも悪くも姿勢について考え直すきっかけとなりました。

この業界に入りたての頃は、学校で教わったまま「デスクワークのときは腰を反って胸を開いて顎を引いて仕事しましょう」と患者さんに言っていました。

おそらくこのページをご覧になっているあなたも一度は経験したことのある姿勢の常識でしょう。でも長続きしなかったですよね?
それどころか私が担当していた患者さん達は逆に肩こりが増してしまいました

もちろん当時の院長に相談してみましたが「施術の腕がダメだから」で決めつけられてしまいました。
そんな疑問を抱えながらそこを辞め、ご縁があった東京都港区の施術院で働くことになりました。
ご存知の通り港区には各国の大使館が入っており、それに伴う外国の方々の施術件数が増えてきた頃です。

日本人はほぼ100%肩こりを訴えるのに外国人は半分以下しか訴えません

その肩こりが無い人をヒントに「何が違うのか?」と原因を探し始めました。そこで分かった一番の違いは外国人の背中が丸いことです。

「えっ!? それって猫背ってことじゃないんですか?」
そうなんです、背中が丸いほうが肩こりしにくいんです。対して肩こりの日本人は背中が平ら(以下、平背)なんですよ。

下の画像を見比べてみてください。

一般的に良いと言われる姿勢が左側ですね。しかし、肩こりしにくいのは右側です。
大きな違いはカラダを筋肉で支えるか、骨で支えるかです。
接地面積という見方で見ると一目瞭然です。

左側は椅子に浅く座り、更に背もたれを使っていないので座面だけの接地面積です。
かたや右側は深く座り、背もたれを使うことで接地面積を最大限に稼いでいます。

疲れて寝るときにフローリングよりマットの上のほうが楽ですよね?
接地面積を増やして体重を分散すると筋肉の緊張が緩んで脱力できるからです。

筋肉は使えば硬くなりますが脱力すると柔らかくなります
すみません、当たり前のことでしたね(笑)。

でも、今まで良かれと思って実践してきた左側の姿勢は背中や首・肩の筋肉を緊張させていないと維持できないんです。
矛盾していませんか?

肩こりから解放されたくて良い姿勢を頑張っているのに、わざわざ自分で肩こりをつくっていたなんて。

「いい姿勢を心がけているんですが気づくと丸まってしまうんです…」

そう、それでいいんです。それが普通ですし自然な反応です。ヒトは元々動物でしたし、動物は敢えて辛い筋トレなんかしません。

ライオン「あの鹿を捕まえるには強い前足が必要だ、腕立て伏せ100回!」なんてね。

ヒトはヒトでも小学校の低学年をイメージしてみてください。


「7つ、8つ、9つ」『つ』がつく年齢までは本能で生きる動物の感覚が残っています。
もちろん肩こりや腰痛なんてありませんよね。
そんな子がテレビを見ている姿勢は右側に近いです。

右側の姿勢は筋肉の緊張はほぼゼロで体重を骨・靭帯・内臓と椅子というモノで支えています。
いずれも姿勢維持という仕事を与えても文句の言わない組織です。
当然無駄なエネルギーを奪われませんので体力を温存でき、脳は目の前のことに集中しやすくなります。

もし、クルマの運転で背もたれを使わないとしたらどうなるでしょう?
路面の凹凸を乗り越えるたびに上体が揺らされて、とても運転に集中できるとは思えません。
雪道では特にクルマの挙動を背中やお尻で細かく感じていないと、とっさの判断スピードが遅くなります。

乗用車のシートは大抵お尻側が下がる設計のはずです。ですから何も考えずにシートに座れば自然と背中が丸くなりやすいのです。

お尻側には太い血管は走っていませんが大腿部の裏にはあります。
上半身の体重を血流に問題の少ないお尻側に逃がし、大腿部の裏を解放することでエコノミークラス症候群を予防できる設計です。
それなのに無理をして背筋を伸ばすと腰痛を引き起こしやすいのです。

「でも、背中を丸くすると将来腰の曲がったおばあちゃんになりそうで…」

私も若かりし頃それを気にしていたことありましたが、それは原因が別にあると考えています。
杖や手押し車がないと腰が曲がって真っ直ぐ立てない方がヒントになりました。


共通点はいずれの方も平背(ひらぜ)なんです。背中から曲がっているのではなく腰から折れています。

人間本来のS字カーブなら起きにくいはずですが、平背のせいで上半身の体重を分散できず一部の骨にだけ圧迫し続けた結果だと推察します。

「背中を丸めましょう」と言っても初めての方は背中ではなく腰を折ってお辞儀するような前傾姿勢になりがちです。
そうではなく、細かく言えば丸くするのは胸椎であり腰椎ではありません。
将来腰が曲がりたくなければ今から平背にしないように心がけていきましょう。

「背中を丸めるとお腹が潰されて内臓に良くない気がするんですが…」

厳かな雰囲気の場所や大事な会議中にお腹が「ぐ~」っと鳴ったら恥ずかしいですよね。
その音とは大半が胃腸の蠕動(ぜんどう)運動なんですが、止められる方法があるとすれば背筋ピンッです。

それだけで腹圧が高まり交感神経優位になることで内臓系への血流を制限してくれます。
すると胃腸は動きをセーブしますので必然的に蠕動運動が起きにくくなります。

蠕動運動を促す背中を丸めた姿勢と、それを止める背筋ピンッではどちらが内臓系にとって良いのでしょう?
できるだけ内臓系に負担の掛からない姿勢をしてあげたいと思いませんか。

もし、あなたが便秘がちだったら既に経験済みかもしれません。うつ伏せで雑誌等を読んでいる途中で排便が催される感覚を。
自分の体重によって腸を圧迫するので蠕動運動を活発にさせる効果があるからです。

その効果は座っていても同じです。
ご存知の通り内臓は骨に付着していませんから自由に動けます。
それが平背になることで腹膜を緊張させてしまい内臓の動ける範囲を制限させてしまいます。
お腹を潰すことで内臓同士をぶつからせ、動きを活発にさせる効果が狙えます。

世界的に見ても圧倒的に多い日本人女性の下半身太り

それも平背と関係します。
試しに左側の姿勢のように骨盤を起こした状態にしてお尻の筋肉を触ってみましょう。
いかがでしょう、お尻の横の筋肉が張って硬くなっていませんか?

脳という社長は頑張った社員(筋肉)に給料(栄養)をあげます。
いい姿勢をしてお尻周りの筋肉(臀筋群)を硬くすると脳は「筋トレしている」と勘違いして栄養をどんどん送り込みます。
すると、その姿勢維持に必要な筋繊維は太くなっていき大きいお尻をゲットできます。

次に背中の筋肉がなぜこるのかを一緒に考えていきましょう

その前に頭を右に倒して左の首の筋肉を伸ばしてみてください。

すると伸ばされた左の筋肉は緊張して右は緩んでいたと思います。そうです、筋肉は伸ばされると緊張して硬くなります

それは背中の筋肉でも同じです。
下の画像を見比べてみましょう。

左側は一般的に「いい姿勢」と呼ばれますが、右側は猫背の定義を知らない人が「猫背」と呼びます。
今の日本はその定義を無視(知られていない)して悪い姿勢=猫背という一括りにしてしまっています。

「猫背」という言葉の対象は「胸椎のカーブのみ」であり頚椎・腰椎がどんな形であろうと猫背とは呼びません。

猫背とは胸椎の過剰なカーブのことで、医学的には「円背(えんぱい)」と呼びます。
理想的な胸椎のカーブは56°~69°

70°を超えると本物の猫背ですね。
この数字の方は日本ではなかなかお目にかかれませんよ。
少なくとも当院の中にはいらっしゃいません。
普通に考えたら仰向けでは眠れないはずです。


脊柱起立筋の長さをピンク色の紐で表しています。
左側の姿勢から背中を丸めていけば筋肉が伸ばされて硬くなると思いませんか?

それを表したのが右側です。紐を止めている部分に変わりはありません。
ピンク色の紐が弛んでいるのがお分かりになりますでしょうか。

実際の筋肉は伸縮しますが紐は縮みませんので、このような形になります。
単純ですが座高が低くなったお陰で背中の筋肉が緊張から解放され緩んだわけです。

「いい姿勢」をしようと思うほど「楽な姿勢」から遠ざかって背中のこりを助長させていきます。それは下肢の浮腫みも一緒です。

特に女性から「一日中デスクワークで下腿が浮腫んでしまいます」という声をよく耳にしますね。浮腫みは血管からしみ出た水分が原因の一つですから、言い方を変えれば「しみ出す暇があった」ということです。

血液は1秒間に約50cm進むと言われていますので身長2mの人でも頭から足までたったの4秒で通過できます。
当然そのスピードなら血液の流れが停滞することはありませんので浮腫まないはずですね。

風は圧力が高いところから低いところに向かって吹きます

平背になっていると腹膜の緊張から腹圧が高くなります。
空気は気圧の高いところから低いところへ向かって流れます。それが風です。
それは血液も同じです。


下半身の血液(老廃物)を手っ取り早く内臓に戻すためにはお腹の圧力を下半身より低くすることです。
ですから「いい姿勢」を心がけるほど浮腫みやすくなってしまうのです。

毎日ドライヤーで髪を乾かす女性は多いと思います。風の入口と出口で穴の大きさが違うのは見て分かりますね。

より強い風を送るため髪に近い先端は吸入口に比べて細くなっています。
部屋の空気の入れ替えも入口よりも出口の窓を小さくするとシュッと空気が流れやすくなります。

「でも、いい姿勢のほうが呼吸がしやすい気がしますが…」

そう思いがちですが誰しも自らの経験によって証明できているはずです。
先生「さぁ100m走のタイムを計りますよー 位置について、よーい・ドン!」
生徒「ゼーゼー ハーハー」
さて、全力疾走でゴールしたときの姿勢を想像してみてください。

どうです、胸を張って顎を引く姿勢をしていましたか?
大半の方が膝に手を当てて前傾姿勢で顎を上げて呼吸していたと思います。

スタートも同じですね。
クラウチングでもスタンディングでも一緒。
グッと背中を丸めた状態からでないとパワーが出ません。

試しに胸を張ってスタートしてみてください。
開始数歩で置いてけぼりを喰らいます(笑)。

その背中を丸くする姿勢は本能的に呼吸が楽だとカラダが知っています。
世界的に活躍している声楽家には誰も胸を張っている人が居ませんから。

肺の容量は胸側と背中側で比べると解剖学的に背中側のほうが容量多いのです。

ですから背筋を伸ばして呼吸をするというのは、わざわざ容量の少ない胸側で非効率な呼吸をしているんです。
これも矛盾していますよね。
世界的なスイマーは皆、背中側が膨張して丸くなっています。

新型ウイルスで重症化の方に特徴的なのは背中側が真っ白になった画像。
こうなると仰向けで人工呼吸器を装着しても効果が薄いので、腹臥位(うつ伏せ)にして改善に導きます。
日頃から背中側で呼吸できるように予防していきたいですね。

くびれと姿勢の関係性

「体重は昔と変わっていないのに、くびれだけが年齢と共に無くなってきてるのよねー」

すべて年齢のせいにしてしまっては肋骨が可哀想です。肋骨をチューリップの花と喩えると分かりやすいと思います。

花の咲き始めは綺麗な形をしているのに終わりかけは花びらが開いて最後にはポロッと落ちていきます。

 
肋骨も20歳代の頃は気にしなくてもいいのですが、平背の期間が長くなってくると丸かったはずの肋骨(胸郭)が開いて楕円になり横に広がっていきます。
そうやってくびれを失っていくのです。

「痩せているからくびれがあるの? くびれているから痩せやすいの?」
「鶏が先か、卵が先か」みたいですね(笑)。

年齢と共に確実に落ちていくのが基礎代謝です

基礎代謝とは「何もせずじっとしていても、生命活動を維持するために生体で自動的(生理的)に行われている活動で必要なエネルギーのこと」です。

その代謝の一つに呼吸があります。
呼吸が浅ければ代謝は落ち、逆に深くなれば代謝は上がっていきます。

まずは呼吸に関わる横隔膜と胸郭の位置関係を見ていきましょう。
背骨や肋骨で丸い籠のように覆わった外郭を胸郭と言います。


その胸郭の内部には胸腔があり、心臓等の臓器が収められています。

横隔膜の上下運動で胸郭が収縮・拡張を繰り返します。
しかし、上記のように開いてしまった胸郭ではその運動量が落ちてしまい呼吸における基礎代謝も落ちてしまいます。

なぜなら拡張された胸郭によって横隔膜が引き伸ばされて上下運動量を制限されてしまうからです。
左右にピーンと引っ張った輪ゴムを指で上下に動かす抵抗と同じです。輪ゴムをたるませると上下に大きく動きますよね。

呼吸による基礎代謝が上がると痩せるかどうかは別(食事量も関係する)として過剰に太りにくくなるはずです。
血液の循環が良くなりますので肩こりや腰痛も改善しやすくなります。

ひだまり整体院に通院されている方が特に運動や体操をせずとも長期的に楽な状態を維持できるのは上記のポイントをしっかり抑えているからです。

「百聞は一見にしかず」です。
ご来院する前にこのページを見て試される方がいらっしゃいます。
でも、ポイントがズレていたり形だけ追い求めて力でねじ伏せていたりと間違っている場合が多いです。

変な形だったり自然な脱力ができていませんと逆効果になることもあります。
ご来院前であれば程々に試してみてください。

肩こりしにくく楽に座るための姿勢についてまとめます



1.平背は間違っていて胸椎の後弯の角度の理想は63°
2.なるだけ椅子に深く腰かけ背もたれを使い、カラダの接地面積を多くする
3.お腹の圧力を下げて下肢からの血液の回収を早める

 

目からウロコ!体のホントのところ ページ一欄

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