他にも“口が大きく開けられない” “噛み締めで歯がすり減っている” “ 無理に開けようとすると痛みが生じる”など。
そのような症状でクリニックの受診をされて【顎関節症】と診断される方が増えています。
まずは簡単に顎関節の構造を。 こちらの関節円板を挟んで上が側頭骨、下が下顎頭で関節しています。
次に開口時にカックンと音が鳴る仕組みについて。
上の画像は2Dなので分かりにくいかもしれませんが3Dでイメージしてください。
関節円板の上を下顎頭が横に滑ったのを戻すときに「カックン」と鳴ります。
前後ではなく横に滑ります。
動物は上顎骨を動かして噛む
カバやワニが口を開けるときはこんな感じですよね。
下顎を支点にして上顎を大きく動かしています。
ヒトも本来は下顎骨を動かさずに首が後ろに反って開口し、その後は重力に従って閉口するのが自然です。
あくびをする感じです。ただ、それでは食事の時間が大幅に増えてしまいますよね。それに脳は揺れるのを嫌いますし。
そんな理由からヒトは下顎骨メインで顎関節を動かすことになりました。
顎関節症は上顎骨ではなく、ほぼ下顎骨の歪みで起きていると考えます。
牛の食事の仕方
少し山手の牧場に行きますと夏から秋にかけて米沢牛が牧草を食べていますので観察するとおもしろいですよ。
牛は頭部を右回旋しながら螺旋(らせん)を描き咀嚼(そしゃく)しています。
これが顎関節症から抜け出すヒントですよ。
顔を正面から見ると顎の軌道は「くの字」
●まず開口でカラダの中心に歪みます
●そして閉口で頭の中心に戻ります
この軌道が「くの字」です。
その歪みが大きいと顎関節症になりやすいのです。
頚椎や頭蓋骨の左右圧の調整で本来の軌道に誘導していきます。
と、ここまで顎関節について書いてきましたが一番の施術対象は股関節なんですよ。
顎関節の歪みは股関節の歪みと比例
過去に施術した顎関節症の方のほぼ100%が股関節の施術を必要とします。
逆にいえば股関節に調整を行わなければ顎関節はまた歪み始めるのです。
中には股関節と頚椎の調整だけで顎関節を触れずとも改善される方もいらっしゃいます。
もともと股関節が歪んでいなければ頭位を正中に戻すだけで上手くいくパターンもあります。
その正中に戻すという補正ができなくなると顎関節症になりやすいのです。
股関節に何も問題がなければ通常睡眠中に5~7回寝返りをします。
それが朝まで綺麗な掛け布団状態であったのならば股関節を疑ってみましょう。
もしくは家族から「最近歯ぎしりが酷くなったよ」と言われたらバランスが崩れ始めているはずです。
寝返りの代わりに歯を動かすことで歪みを調整しているわけです。
自然なのは部分的な歯ぎしりではなくカラダ全体を使った寝返りでの歪み調整ですよ。