「目には目を」「麻痺には麻痺を」

脳出血の後遺症(片麻痺)に悩まされている方。

手をグーの形にしてからパーにしようとすると、握っている筋肉の緊張が抜けずパーにしにくい症状である痙縮(けいしゅく)が出ています。

これを放置すると関節の可動域にも影響し拘縮(こうしゅく)という症状になります。
それを防ぐためにリハビリテーションがあるわけですね。

ちなみにリハビリとは re(戻す)habit(習慣)から成り立ちます。
失われた機能を理学または作業療法等によってもう一度習慣化させていきます。

通常のリハビリではやった分だけ結果がついてくるのですが、痙縮という反応が出てくると効果が発生しにくくなります。

クルマで例えますと、アクセルをベタ踏みして「進め―!」と司令しているのに意志と反してブレーキをガッツン!と踏み続けている状態。結果1mも進まない。

そのブレーキを踏んでいるのは筋肉の危険な伸張を感知している筋紡錘(きんぼうすい)というセンサー(筋繊維)。

縮こまらなくて良い状態なのに筋紡錘に誤作動が起きて痙縮が出ます。
その誤作動を改善するにはどうしたら良いの?

ボツリヌス菌の作用

そこに登場してきたのがボツリヌス菌
主に四肢の麻痺を引き起こす毒素で、自然界に存在する毒素の中では最強!

それを痙縮が起きている筋肉に直接注射するのがボツリヌス療法。
まさに「目には目を」と一緒で「麻痺には麻痺を」ですね。

とはいっても毒素を注射するのではなく、菌が作り出すタンパク質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を注射します。

すると今まで痙縮が起きていた筋肉が一時的(約3カ月)に誤作動が起きなくなり痙縮が取れます。

先日、注射をした直後の手を見せてもらいました。
いやーすごい効果です。勝手に屈曲していた指が真っ直ぐに伸びています。

さぁこれでリハビリの邪魔をしていた筋肉の反応がなくなりました。
この隙にリハビリをすることで今まで途切れていた神経回路が繋がっていきます。

今まで出来なかったことができるようになるってワクワクしますね。

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