8年間ほぼ毎日下腹部痛に悩まされていた60歳代の女性。
愁訴は1~2分歩いただけで下腹部が「カーン」と熱くなり痛みに変化。
「椅子から立ち上がる」や「入浴後に立つ」といった日常的にある股関節の屈曲から進展動作をする時に多発。
子宮含め、内臓系はあらゆる検査をしても異常なし。
3カ月、毎日接骨院に通うものの全く改善せず。
さてさて、原因は何でしょう?
本人には申し訳ありませんが、この考える作業が楽しみであります。
左足荷重ができない
立位での姿勢チェックでは本人も自覚する位の右足体重。
お話を伺っていると、どうも20歳代に車のタイヤで左足を踏まれてから一時的に感覚低下したのが今になっても影響しているっぽい。
まずは左足でも安定して立てるように施術開始。
愁訴は下腹部痛なのに半分の時間を足ばかりにあてる私…。
接骨院ではありえないでしょう。
施術後にもう一度立ってもらいます。
「おっ!まずまず左足にも乗れていますね」
この時点で割と短期間で改善出来るのではと楽観視していましたが、そこはさすがに8年間続いた症状。一筋縄ではいきません。
2回目の来院時までは短時間の歩行や小走りまではOK。
ただ、その良い状態が続かない。
その後は・・・色々とやりましたねー。
毎回脳に汗を掻くようにフル回転です。その都度カラダのレベルに合わせて体操など。
徐々に筋肉の問題がなくなり構造的にも問題がなくなって残りはカラダの癖。
ちょっと見た目は変ですが、ある動作をしてもらい、それを反復練習。
そして迎えた11回目。
初めて丸っと一週間、症状が発生せずに過ごせた、との事。
期間的には2カ月半。
何とか今月に予定していた旅行には間に合った。
残りは1カ月先も症状が出ないように更なるレベルアップだね。
今回の反省点は私の楽観視が原因で毎回の施術間隔が空きすぎたかな。
もう少し短期集中で施術していけば回数も減らせたと思う。
良かった点として、症状改善に前向きな方でしたので私からお伝えした体操などは全てやってもらえたのがプラス要因でしたね。
8年間ともなると原因は複合的でした。
筋肉・靱帯などの軟部組織。食事や動作の生活習慣。カラダの癖。
開業して年を重ねる毎に患者さんの症状のレベルもアップしている。
私もそれに対応出来るようにまだまだ勉強です。