医療関係にお勤めの方。ご自身が医師からがんの宣告を受ける。
今まで幾人ものがん患者さんと接してきたのに、まるで自分はその気持ちを分かっていなかったと。
闘病という言葉がある。
漢字通りなら「病(がん)と闘う」だが本当の敵はそこにはいないのだと。
私は別な意味で闘病という言葉に違和感があった。
誰かが故意にがん細胞を体内に入れたならまだしも、自分自身で作り出した細胞である。それを受け入れずに闘うだなんて…。
上記の方は部分切除と放射線治療だけで転移は免れた。
入院と通院の期間中は「治療をしている」と実感があったので精神的にも元来のポジティブさで乗り越えられた。
ところが治療を終えてしまうと再発という見えない敵と闘うことになるのだそうな。
いくらポジティブな性格でも「またなったらどうしよう」と毎晩弱気になってしまう。
その方曰く「闘病とは再発するまでの先の見えない長い期間」を表すらしい。
その方のところに甲状腺がんの女性が度々訪れている。
受け入れるどころか毎日「自分はこんなに不幸な女よ」と繰り返しているらしい。
宣告を受けて急に性格がネガティブになったわけではなく元々がそうみたい。
言葉一つで人は変わる
その女性にはがんを患っていたことを話す。
「甲状腺がんで良かったじゃない、お医者さんも言ってたでしょ、99%それで死なないって」
「へぇ~ がんを患って『良かった』なんて一度も考えたことなかったわ」
がんが発生した部位は違えども同じ病気ということで親近感が湧き、最近では「そうね、今すぐ死ぬってわけじゃないし、休んでいた趣味をまた始めようと思うの」と発言がポジティブに。
覚醒剤でも病気でも同じ境遇で悩んでいる人たちで集まり話し合う場がある。
こういう場では下手しなくてもカウンセラーより体験者の声のほうが説得力あるかもしれない。
生まれ持った性格というのは誰にも変えようがない。
しかし、性格を変えなくても考え方は変えられる。
考え方が変われば人生もっと楽しめるかもね。
世の中にはうつになりやすいタイプというのが存在するらしいが正確には違うかも。
断言はしないが「うつになりやすい考え方次第」で病が発症するのかも。
だからタイプではなく環境が変われば誰にでも起こりうるものだろう。