先日、動画共有サービスで昔の日本人の生活を観ることができました。
すごく音声もクリアで90年前の記録とは思えないくらい貴重な映像です。
昭和4年の京都。
大半の市民は着物姿で下駄を履いています。
現在、一般的な女性が着物姿になるシーンといえば成人式か結婚式くらいでしょうか。
当時は当たり前に着物が普段着だったわけです。
おそらく現代ほど腰痛や肩こりの症状はなかったと思います。
それもそのはず、踵(かかと)体重で脱力した撫で肩の立ち姿です。
現代と真逆ですね。 胸を張って顎を引くなんて戦後からです。
当院が目指しているのは昭和初期の日本人の立ち姿。
そして歩き方も大変参考になります。
誰も内股で「しゃなりしゃなり」と歩いている人はいません。
内股で歩けば下駄同士がぶつかってコケちゃいますから。
その下駄の履き方ですが、現代人が履くと鼻緒の前つぼに体重をかけるような間違った履き方をしてしまいます。 正しくは母趾と示趾で前つぼをつかむようにして基本的に体重は踵に。
当時は一日40~50kmを普通の一般人が歩いた時代なので、旅の途中で鼻緒が切れてしまったら文字通り足止めです。
だから大事な鼻緒が切れないように体重はかけなかったわけです。
そして踵体重は物を引くでも有利に働きます。
綱引きでも荷車を引くでも、試すと分かると思いますが爪先体重では力が逃げます。
対して踵体重ではしっかり地に足が着いていますので安定した力を発揮できます。
結果的に一日の終わりの疲労感が全く違うものになるんですよ。
この酷暑を乗り切るためにも涼し気な浴衣と下駄で過ごすのはいかがでしょう?