精神疾患で数年前から職を離れている方。
私の中ではすごい苦手分野だが、ご紹介でいらっしゃったので期待に応えなくては。
初回から顔色が悪く立っているのもやっとという感じ。
しかも踵という一点で立っているのでフラフラして当然。
安定剤を服用しているが頭痛はほぼ毎日で外出するとパニック障害で動悸や息切れが多発する。
なぜか院内では一度もそういう発作が起きていない。
私の人間離れしたアホ面が緊張感を減らしてくれるのだろうか。
全く食欲が湧かないというのでお腹を触れると風船の空気が抜けた感じみたくしぼんでいる。
しぼんでいるのは内臓だけでなくカラダ全体だが。
丸いはずの肋骨もいびつな形に歪んでいる。
何が改善のヒントになるか分からないので情報は多いほうがいい。
・幼少期にソファから落下して頭部を強打。
・家族と一緒に食事をすると気分悪くなるが一人では大丈夫。
・雷がゴロゴロ鳴ると異常に反応する。
・ミルクティーを飲むと必ず体調を崩す。
まあ他にもいろいろと出るわ出るわ。
限られた時間なので毎回の施術で足・内臓・頭蓋骨の調整は外せない。
その中でも何が時間かかったかといえば内臓。
家族と同居しているので一人だけメニューや食べる時間を変えにくい。
時間はかかったが家族の協力も得られ少しずつ回復していき肋骨のいびつさも改善してきた。
クスリを減らす医師
更にかかりつけ医が積極的に薬の量を増やすタイプじゃないのもプラスに働いた。
変化しようとしているカラダに薬が入ってそれを妨げられては敵わない。
それにしても珍しい。
症状が増える度に薬がまた1錠と増やしていく医師が多い中。
最初はしぼんだ風船状態だったカラダが徐々に空気圧が満たされていった。
例えるなら熱気球が地上から飛び立つ寸前というのが今の状態。
先日は「数年ぶりにハローワーク行ってきました」と嬉しい報告が。
その気持ちになっただけでも一人で飛び立てるでしょう。
今回の件を通して改めて周りの協力の大事さを痛感した。
過去の上手くいかなかった大半は私の力不足はもちろんだが、大きな壁に向かって患者さんが孤軍奮闘している感じだった。
精神疾患についても専門家から今の現場の話を聞いて勉強したが整体でできることは限られるし、私は「カウンセラーじゃない」と割りきって接していた。
それに世間一般では精神疾患の方に対するタブーの言葉も平気で使っていた。
西洋医学では改善されないのだから、それとは違う視点でみたのが良かったのかな。