ストレートネックをつくる方法は簡単ですよね。
胸を張って顎を引いた姿勢で何年かずっと生活していると徐々にストレートネックになってきます。
解剖学的に胸椎の後彎があるので頚椎の前彎が生まれます。
胸椎のカーブを打ち消したらそりゃあ頚椎のカーブも失われます。
姿勢を指導する業界にいる方は必ず知っている頭蓋の耳と鼻の穴の位置関係。
上記のやり方でそれを再現しようとしても無理だわな。
部活動の大会が増えてきましたので中高生のお子さんを連れてくるご両親からよく質問されます。
「うちの子、猫背で前肩なんですよー なんとかなりませんか?」
「お母さん(お父さん)、解剖学的にこれが理想的なカーブなんですよ」と答えることがほとんど。
足の形と一緒で背骨の形も勘違いされている場合が多いです。
「うちの子、足が幅広で合う靴がありません」みたいな。
どこからどう見てもレギュラーサイズですけど。
背骨のカーブが形成される順番
発生学はおもしろいです。
胎児の背骨は凹凸がなく、ただの一つのカーブ。
そこから赤ちゃんのハイハイで頚椎の前彎が形成されていきます。
2才を過ぎてくると走れるようになり腰椎の前彎が形成されます。
急速に知能が発達してきて自由になった手で細かい動きができるようになります。
そうなると手を前に出していることが増えるので前肩になっていきます。
その連動で胸椎の後彎が形成されるのです。
姿勢のことは何も言わなくても勝手に理想的なS字カーブが形成されていきます。
姿勢に関して成長期は親は口出しせず放っとくのがベストな選択だと思います。
手先の器用さと前肩は比例していくものでしょう。
背中側でキーボードを打つなら胸張ってもいいんでしょうが。
「今まで胸を張って顎を引くようにと指導されてきました」という方がいます。
私からすればわざと腰痛・肩こり患者をつくっているんじゃないかと勘ぐってしまいます。
その姿勢をする以上、症状が緩和することはないので半永久的に通い続けるみたいな。
ただ、残念ながら胸張り姿勢がいいと信じて教育を受けてきた方も多いのです。
ホントのところを知っていての嘘は一番タチが悪いですが信じている人には悪意はない。
ヒントは腰痛・肩こりのない子どもが常にどんな姿勢をしているか?ですよね。
どんな解剖学書をひっくり返して見ても背中(胸椎)は丸いのです。